Yahooブログ引越しの途中、書庫「本棚のホコリ」をのぞいてみたら、なんと本の感想は2017年2月以来書いてなかった…
読書数、読む速度ともに激しく落ちているせいもあるけど。
こんな昔じゃ、何読んだか忘れちゃったわ。
思い出せないのはあまり印象に残らなかったから、ってことにして。
備忘録としていくつか書いておきましょ。
オルハン・パムクの作品の中では、あまり好きではないけど、なんだか呆れてしまったので、読んだのはずいぶん前だけど、よく覚えています。
長友がトルコリーグのガラタサライへ行ったので、またそのニュースでこれを思い出した。作品中で男たちがガラタサライとフェネルバフチェの試合の話をしてて、女主人公フュスンが退屈して、スプーンをもてあそび舐め回していた…とか。あなた、手の届かなくなった愛する美女(スプーン舐めエピソードの時は人妻)がペロペロしたスプーン、どうする?彼女と思ってペ(以下略)?
単行本で上下2冊あり、半分はある博物館について書かれているのだけど、まったくもうこの主人公、お金持ちの坊ちゃんケマルには呆れてしまう。
彼女の方は、書評にあるように、あまり個性的ではなく、他に登場する女性の方がまだよく書けているように思います。でも、たいそうきれいなんだろうな、とは思う。
もともとオルハン・パムクの書く女性はあまり魅力的ではないように感じますが。
ともかく、この小説は主人公ケマルのものすごい執着心、収集癖が読みどころで、実体のあるフュスンより、そっちを愛してるのかと思うくらい。
「わたしの名は紅」や「雪」ほどは面白くないけど、呆れながらわりと楽に読めます。
中公新書から出ている「物語…の歴史」シリーズは、どこかの歴史をざっくり知るのには、よくできたシリーズです。
そのシリーズで、イスラエル、朝鮮、オランダ、カタルーニャの歴史を読みました。
現在「ナイジェリアの歴史」を読書中。
このシリーズの中で一番興味深かったのはカタルーニャ。
登場人物がやたらに個性的で面白かった…建国の父「毛むくじゃら伯ギフレ」が、まずすごいインパクト。赤ちゃんの時行方不明になったけど、足の裏に毛が生えていたので、すぐギフレとわかった…とか。そんな赤ちゃんおるかいな?国王に愛されず、放置された王妃が一計を案じて、国王を騙して一夜を共にして生まれたのが「征服王ジャウマ一世」だったとか。強烈な布教者ラモン・リュイがカタルーニャ語の父であったとか。エピソードがおもしろすぎて、本筋があまり頭に入らなかった…それでも、一大帝国となりながら衰微したカタルーニャが、その独自性をいまもはっきり持ち続けていること、根底にあるものはわかりました。
なぜか今、応仁の乱前後の歴史がはやっているようです。
電車に乗る前、手もとに本がないことに気がついて駅ナカの本屋で買ったのが「応仁の乱」。
つづけてそのあたりの歴史として「徳政令」を読みました。
で、何度読んでもなかなか頭に入らないんだよな…ここ、試験にでるから、とか先生に言われないと必死で覚えないから。
でも、価値観の大転換点として、面白い時代ではあります。
以前は、京都なんかに幕府を置いた一番ダメな武家政権、みたいなネガティブな評価しかされなかったように思いますが、なぜ今流行っているかといえば、人間くささや、変化のうねりや、価値観の変わっていくところなど、面白いところででしょう。
「徳政令」もまさにそれで、「借金は返さなくてよろしい」から、「返さなくてはいけない」になる…というと単純すぎるけど、いわゆる今の常識に近づいていく過程、救済のための徳政令が、ごね得みたいになって迷惑な存在になってしまうところなど、興味深いものでした。
それでも内藤湖南が言うように「応仁の乱以前の日本史は、学ぶ必要ない」とは思わない。文字はないけど縄文、弥生も、文字をもった時代以降も、学ぶべきところはいくらでもあるもの。
これは少し前に出た本だけど、わたしは置きっ放しにしていて、最近読んだ。
本当に小説の醍醐味をあじわえるものです。作者はローラン・ピネというフランス人でこれが第1作だそうです。
ユダヤ人大量虐殺の首謀者、金髪の野獣ハイドリヒを暗殺すべくプラハに潜入したチェコ人とスロヴァキア人の二人の青年。
ハイドリヒとヤン・クビシュ、ヨゼフ・ガプチークと、その3人を足跡を追いかけ、調べに調べ、本を読み、資料を集め、歩き回り、考え抜く小説家の「ぼく」が、やがてその暗殺現場に収斂していきます。
単にハイドリヒ暗殺事件を扱った小説というのではなく、歴史と小説と、表現とのあり方を問いつつ、小説の可能性を考えさせされるものになっています。
ストーリー自体も面白くスリリングだけど、途中で必ず立ち止まって考えるところがあり、一筋縄ではいかない感じ。そのなかで「ぼく」のプラハへの愛情も伝わってきます。
最近映画化されたけど、どうなんでしょう。見てないからわかりませんが、この小説とは別物になるんだろうな。
今年「ギケイキ2」が単行本で出ましたが、これは前編の文庫本。
これも電車の中で読む用。
で、買ったつもりが、随所にお下品な描写が出るため、ちょっと周囲を憚られてしまう…
パンキッシュな義経が大暴れします。オシャレで、生意気で、サッカー選手ならテクニシャンで足が速い、それもものすごく速いスーパースター。
女子にもてまくり、すごく悪さもする。
「義経記」で古典の勉強、というのとは対極の、義経物語の説話性をチョー今っぽく発揮していて、すぐ読めてしまいます。
冒頭のわたしは知らないプロレスラーみたいな人の名前なんかは、すぐに古くなってしまうと思うけど、それも今語られる説話らしいかもしれません。
今思い出せるのはこれくらい。
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